2010年4月4日日曜日
56.マイクロバブルと潅水(11)――農業センターで研修中の衣笠氏の話
メロンの苗に低温傷害 (有)OKエンジニアリング
――根に異常が発生――
衣笠さんから別ハウスのメロンの苗の写真が送られてきました。この写真を見ていて新たな疑問が出て来ました。
以前の疑問は、このブログのテーマになっている、マイクロバブルが本当に凍傷、冷温被害から苗を守る力があるのかどうかかです。
今回の新たな疑問は、トマトは葉、特に新芽が凍傷になったのに、メロンは根がダメージを受けているだけで、新芽は凍傷になっていないことです。なぜなのでしょうか。根の異常で葉に水分が十分に行かず葉の水分の濃度が高くなっているからでしょうか。
私は、マイクロバブルを植物に与えれば活性化するので成長が速い。結論は早いと思っていましたが、違いますね。作物が育つメカニズムを知ること、時々の成長過程における作業者の気配りが大切ですね。人にあまり気配りをしない、しないのではなく、気付かない私は日々この事の大切さを教えてもらっています。(つくる機械については過剰なまでに気を使うのに!)
話を戻します。
新たな疑問の解明は、このブログの添削を毎回お願いしている衣笠さんに依頼します。
この件の科学的解明に非常に興味があります。楽しみにしています。
衣笠さんからのメール
4月1日、別ハウスで撮影した低温障害と思われるメロンの苗です。
葉が巻いてしまっています。低温障害により根に異常が発生し、水を吸い上げる事ができなくなってきていると思われます。
また、上記ハウスで撮影した低温障害で根が萎縮してしまった苗。植え替えの為、抜いたものです。
衣笠
次回は写真をもとに潅水装置全体の説明をします。
2010年4月3日土曜日
55.マイクロバブルと潅水(10)――農業センターで研修中の衣笠氏の話
30日、メロンの苗が、またまた、低温被害
―――被害0本 衣笠さんのみ―――
(有)OKエンジニアリング
衣笠さんからのメール
「ここの所続いている低温がボディーブローの様に効いていたその上の3/30日)
の冷え込み(先日3/27日の冷え込みとほぼ同程度)により、メロン苗が低温障害と思
われる症状により全滅(87本)したハウスが出ました。
他のハウスもでも同じような低温障害と思われる症状の苗が出ていないかを確かめると
● 1本 2ハウス
● 2本 1ハウス
● 3本 1ハウス
● 5本 1ハウス
● 8本 1ハウス
● 0本 私のハウスのみ
と、言った状況です。定植した日にちは、私が3/22日で最後の方です。早い人は私より1週間以上前に定植しています。
1) 低温障害に有った苗
撮影は、3月31日なので抜いて1日が経過しています。
このメロンの定植日は、3月19日でした。
先の写真にもあるように私のハウスのトンネルは「不織布」を使った簡易的なもので、
他のハウスは全て「ビニール」を使った本格的な物です。この2つの保温力の差は明らか
です。問題のハウスの方が私のハウスより保温力は遙かに高いと思われます。
黒く見える土は、元のポッドに植えて有った時の土です。その範囲から殆ど根は出ていません。ハウスの管理者に聞いてみると3月27日早朝の冷え込みで、苗がかなりぐったりした。葉が巻くのを見て水不足だと思い、3月27~29日に水をどんどん与えたがますますぐったりして、3月30日には、殆どが萎れてしまった。との事でした。
先生の指摘では、苗の植え方と水のやり方に問題があり、むやみに周りの土を冷やすばかりに成っていたのではないかとの事です。
2)無傷だった私のハウスのメロンの畝 こちらも青い支柱と不織布で作ったトンネルは、3月28日に作成したものです。
それ以前には、これは有りませんでした。
こちらの水やりは、株元に毎日少量ずつやっています。
3)私のハウスのメロンのアップ
ちょっと葉は巻いていますが、まずまず元気そうなメロンの苗です。寒さに耐えて何とか活着が進んでいると思われます。
衣笠
4月1日、別ハウスで撮影した低温障害と思われるメロンの苗の写真が来ましたので次回掲載します。
2010年4月2日金曜日
54.マイクロバブルと潅水(9)――農業センターで研修中の衣笠氏の話
衣笠さんのハウスではトマトの花が開花
<無傷トマト苗の写真>
全く被害を受けなかった衣笠さんのハウスと被害を受けた他の人のハウスを比較してこれほどの差が発生する原因は何なのでしょうか。
推測の域を出ませんが、私はマイクロバブルの効果の可能性が高いのではないかと考えています。
前回も述べましたが、実験をすれば直に結論が出そうです。実験テーマについては後日整理する予定にしています。
衣笠さんからのメール
「私は、火曜日(3/23日)にトマトを、木曜日(3/25日)にミニトマトを定植しました。
青い支柱と、不織布で作ったトンネルは、3/28日に作成したもので事件当時はありませした。
また、ハウスには加温施設はありません。
1)トマトの畝の様子
「両サイドの畝には何が植えてあるのでしょうか。被害は無かったのでしょうか?」
一番左端は、写真を撮った時点では、まだ何も植えていません。
左から2番目は、トマトの畝で、この畝の一番奥の方(青い支柱で2スパンぐらい)に
ミニトマトを植えています。ミニトマトも被害は皆無です。ちなみに、同じ3/25日植え
たミニトマト(被害苗写真のトマトと同じハウスのミニトマト)も、50%程度の苗が被
害を受けています。
左から3番目の畝は、トウモロコシで写真を撮った時点では、まだ発芽していませんでし
た。なお、本日発芽が確認できたので、被害はあまり無い様です。
一番右は、メロンです。ハウスの正面からとった写真にちらっと写っています。(こち
らも被害はありません。)
「他のハウスと衣笠さんのハウス内の土の温度は比較できそうですか、マイクロバブルで地
中の微生物が活性化することによって低温化を少し緩和した可能性も考えられます。
レコーダー付き温度計が2台欲しいですね。 」
先のメールにも書きましたが、私はデータロガーを1台持っています。今は、トンネル内
の気温を計るようにしています。センサーを付けてそれを地中に差し込むのは。これは、
ちょっと考えて見ます。センサー付き最低、最高温度計は学校の備品にあるので、これ
を借りる事ができれば、少しは分かりそうです。
2)畝のアップ
根の定着が進み、定植前に比べて花も沢山咲きつつあります。
3)苗のアップ 可愛らしい黄色の花をつけています。
「この花は、トマトですか、ミニトマトですか?」
これは、トマトで「麗夏」と言う品種です。
青いクリップは、接ぎ木苗なので、まだ台木と穂木の接合部分を守るために付け
たままにしてあります。
衣笠
次回は、メロンの低温傷害について書きます。
衣笠さんのハウスだけが被害がありませんでした。詳細なメールが入っています。
2010年4月1日木曜日
53.マイクロバブルと潅水(8)――農業センターで研修中の衣笠氏の話
マイクロバブルは植物の凍傷を防ぐことができるか? ―――無傷トマト苗と凍傷トマト苗写真―――
(有)OKエンジニアリング
写真と解説を見て質の高い内容なのでテンションが上がった状態で、衣笠さんに下のようなメールを入れました。
「貴重な写真と解説ありがとうございます。ワクワクしながら見させてもらいました。これだと、衣笠さんの推測が当っている可能性が高いですね。トマトの苗はもっと小さいものだと思っていましたのでマイクロバブルの効果なのか判断できないと思っていました。 これだけ苗が大きいと栄養の吸収が良く葉の水分の濃度が濃かった可能性がありますね。
これは、科学的に実験できますね。ガラス張りの冷凍庫があれば、再現実験はできます。大学とか農業研究所は持っているかもしれません。また、葉の水分の濃度も測定することできるかも知れません。デジタルの糖度計があるくらいですから。また、葉の表面温度の変化もあるかも知れません。光合成や呼吸によって植物の温度変化を測定比較するとマイクロバブルの効果の有無を判断できそうです。これをやると農業生物研究者になってしまいますね。でも研究テーマとしては興味深いものがあります。」
では、まず凍傷トマト苗写真を見てください。
1)被害を受けたトマト苗の畝
被害を受けた部分が既に茶色く変色し;枯れています。ご覧頂いても分かるようにこの 畝のトマト苗の90%弱位が被害を受けています。
ちなみにこの畝の定植は、私と同じ3/23日で、事件当時(3/27日早朝)は定植から4日 目に当たります。
同じ畝の中でも必ずしもハウスの外側の苗がより大きな被害を受けている訳でもなく、 根の定着の進み具合が結果に大きな影響を与えているのではないかと推測されます。
なお、こちらのトンネルも事件当時は、有りませんでした、後から付けた物です。
2)被害苗のアップ
葉はほぼ枯れており、この苗から将来トマトが取れるかどうかはかなり心細い 状況です。今後、それぞれの苗の被害状況を見極めて、撤去するかわき芽を伸ば して再生を計るかを決めていく様です。
衣笠
次回は全く被害の無かった衣笠さんのハウスを紹介します。
このブログを校正中に、メールが入り、「新しい被害が発生。メロンの苗が凍傷になった」 そうです。今回も衣笠さんのハウスは被害が全くありませんでした。このことが大きな 話題になっているようです。このことは次々回に掲載する予定です。
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