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2009年10月6日火曜日

41.マイクロバブルと日本混相流学会講演会(その3)――植物に及ぼすマイクロバブルの効果 (イチゴ栽培へのマイクロバブルの適用)


 「イチゴ栽培へのマイクロバブルの適応」氷室昭三先生(有明高専)  

8月7日から9日まで、熊本大学で第28回日本混相流学会の総会と講演会がありました。
前回に続き氷室先生の報告です。

イチゴ栽培へのマイクロバブルの適用
ノリの培養と同じ論文で、イチゴ栽培におけるマイクロバブルの効果についての実験も載っていました。
結論から先に言うとマイクロバブルには「イチゴの成長促進効果があることがわかった。」とのこと。
「単位面積当たりの積算収穫が、マイクロバブル系が28.0kg/m²で、対照系が25.3kg/m²となったことから、マイクロバブルを潅水している方が、対照系に比べて11%向上している結果がえられた。」と、数値結果が出ています。

「試験場所は荒尾市で、試験規模はマイクロバブル系も対照系もビニールハウスで34×6mである。試験機関は10月4日~4月1日で、イチゴの品種はエミリーを用いた。ハウス栽培の定植(約1,000株)に対して、マイクロバブル水を潅水(1回/4~5日)」している。潅水には地下水を使用し、2,000dm³の水を120分間バブリングしている。これは「マイクロバブル発生装置内(H100)を通算6回通す計算となり、この循環中に地下水が活性化」されていると言います。

マイクロバブルをバブリングすることで地下水に以下のような興味深い現象・変化が起っています。
①地下水の溶存酸素量は約2mg/dm³であったが、120分間バブリングすることで溶存酸素量はほぼ飽和値に達した。
②pHは5.7から4.1に下がった。
③同時に酸化還元電位は277.2から377.8に上昇した。
④温度は19.0℃から19.5℃に上昇した。
(電気伝導率はほぼ変化しなかった。)
「地下水をマイクロバブル処理するとpHが低下することがわかった。」すなわち酸性に片寄ることがわかった。

マイクロバブルは、地下水にこれらの変化を及ぼし、イチゴの成長を促進していますが、今後さらに成長促進のメカニズムが解明されることを楽しみにしています。

2 件のコメント:

  1. マイクロバブルではオゾン、酸素、ただ空気などのマイクロバブルがあり、これらのPH値、酸素濃度の変化結果は空気マイクロバブルを用いる実験結果ですか?

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  2. 匿名さんへ
    返事が遅れてすみません。気が付きませんでした。

    この実験では、すべて空気です。

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