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2011年12月20日火曜日

90.農業とマイクロバブル(2)

 

 
   明治大学 玉置雅彦教授の講演を聞いて



(有)OKエンジニアリングの松永です。
クリックするとHPに飛びます。


(2)オゾンマイクロバブルを用いた培養液殺菌・浄化


   講演を聞いてオゾンマイクロバブルの濃度がそんなに高くないのに殺菌力が非常に大きい。これから農業だけでなく、広い分野で利用されると実感した。
また、オゾンマイクロバブルを用いた培養液殺菌についての認識を深 
めることができた。                
     玉置教授に感謝したい。


●培養液中の農薬散布は禁止

私は、培養液中の農薬散布は禁止されていることを初めて知った。

今までは「培養液を介して根から発生する病害に対して有効な殺菌はない」と言うのが現状であったそうである。培養液中に病原菌が入ると短時間に全体に蔓延してしまう。
殺菌、洗浄に多大な労力と費用がかかったそうだ。


●資材・施設の一般的な殺菌法

 ホルマリンや次亜塩素酸カルシュウム剤等を用いて培養液タンク、栽培
装置、パネル、資材の殺菌が行われている。処理後に十分な水洗いが必要で
ある。殺菌効果は両者でほぼ同等であるが、オゾンよりも劣る。


●培養液の殺菌法

   熱や紫外線処理などの物理的方法
   オゾンや金属イオン(銀)などの化学的方法
   緩速ろ過などの生物学的方法

 などが実践されているが、これらの方法はいずれも経済性や効果の面で
課題が残っている。


●従来技術のオゾン殺菌法

  従来技術のオゾン殺菌は、培養液中の拡散率が悪く、装置全体に均一に       
 処理できない。
 分単位で培養液中から揮散していくため殺菌効果が低い。
  

●オゾンマイクロバブルの有効性

  玉置教授は、溶存オゾン濃度の推移を「単なるバブリング」「密度の高い高濃度MB」「低濃度MB」の3つのデータをグラフにしている。水温を15℃、20℃、30℃でデータを取っている。

  グラフから見て各装置を5分間だけ作動させ、その後の溶存オゾン濃度の推移をみている。

グラフが表示できないのが残念であるが、かいつまんで説明することにする。


●マイクロバブルが溶存オゾン濃度を高める効果が高い

  5分後のオゾン濃度は、15℃で見ると、 (当然、ピークとなる)
 「バブリング」は、 0.35ppm
 「高濃度MBは、1.65ppm
 「低濃度MBは、1.65ppm

 の結果となる。濃度で見ると「バブリング」の4倍強である。溶け込み 
いい。
マイクロバブルが溶存オゾン濃度を高める効果が高いこと判断できる。

 
 興味があるのは、「高い高濃度MB」と「低濃度のMB」が同じ溶存オゾン濃度であることだ。
 玉置教授実験データからすると、溶存オゾン濃度を高める効果はMBの濃度とは直接関係がなさそうである。


●「低濃度のMB」の溶存オゾンが最も寿命が長い

次に、ほぼ0ppmになる時間を見てみると
「バブリング」は、10分でほぼ0ppmになる。
「高濃度MB」は、20分。
「低濃度MB」は、22分。僅かではあるが、寿命が長い。
「高濃度MB」と「低濃度のMB」とのピークは、ほぼ同じであるが、8     
分から14分頃までは「低濃度のMB」の濃度減少は大きい。「高濃MBとの差は0.10.2ppmある。
 ところが、17分に「高濃度MB」と「低濃度のMB」の濃度が同じ0.1ppmとなり、それ以降は「低濃度のMB」の濃度が高くなる。2分の差となる。

 私にとってはこの現象も非常に興味がある。



「高濃度MB」は加圧溶解方式で発生させたものであり、
「低濃度MB」は乱流のせん断によって発生させたものだそうです。

 



次回はマイクロバブルの殺菌効果について書きます。

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