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2009年2月28日土曜日

8.ループ流式マイクロバブル発生ノズルの誕生


(有)OKエンジニアリングの松永です
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ループ流式マイクロバブル発生ノズルの誕生は「田んぼ」の中。
「もし、広い水域にマイクロバブルを噴射した時、目視で観察できないことを最初から知っていたら『ループ流式マイクロバブル発生ノズル』を発明することは出来なかったと思う。」 と以前に書きましたが、ループ流式マイクロバブル発生ノズル開発のきっかけは、ステルスバブルの現象を見て閃いたからです。田んぼでの実験初日の出来事でした。
マイクロバブルを目視できないので、田んぼに設置した噴射ノズルを外し、アクリルパイプで噴射すると牛乳色のマイクロバブルが発生しました。この瞬間、どんなノズルでも発生するのではないかと思い、手元にあった他社製の混合ノズル2個を試してみると、ほんのりと白濁しました。激しい乱流が発生するノズルのほうが倍以上白濁が濃かった。激しい乱流を起こす構造であればマイクロバブルを発生することを確信しました。
田んぼでの初日を終え、帰宅しアクリル製のノズルでテストしました。思惑どうり水道水でマイクロバブルが発生しました。この時、ノズル内の撹拌部全体が白く濁る現象が起りました。よく観察するとノズルの噴出口からノズル内に流れ込む逆流があり、それがノズル撹拌部でループ状に流れていることが分りました。これがループ流式マイクロバブル発生ノズル開発の始まりです。
 このループ流について公開特許に書いていますので引用します。

「ループ流れとは、液体供給孔から噴出孔へ向う液体の周囲に沿って流れた後、噴出孔付近で反転して気液ループ流式攪拌混合室の内壁に沿って流れ、再び、液体供給孔から供給された液体の周囲に沿って流れるという一連の流れのことをいう。なお、発生するループ流れの速度は、液体や気体の供給量によって、低速から高速まで、ある程度コントロールできる。したがって、液体や気体の供給量を調整し、さらにループ流れの速度を増加させることで、高速ループ流れを形成することもできる。また、気液ループ流式攪拌混合室内は負圧となっているので、気体流入孔から気体が流入してくるとともに、噴出孔の径が液体供給孔の径よりも大きく形成されていることから、噴出孔において、噴出孔の内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体が気液ループ流式攪拌混合室に流入してくる(外部環境によって、外部気体又は/及び外部液体が流入してくる。)。ここで、(a)気体流入孔から流入してきた気体は、気体流入孔の気液混合ループ流式攪拌室側端部で剪断されることによって細分化され、(b)ループ流れにおいて撹拌、剪断されながら、(c)一部が液体供給孔から供給された液体と衝突した際の乱流の発生によりさらに細分化され、噴出孔から噴出される。(d)なお、噴出孔から気液混合ループ流式攪拌室内に流入してくる外部気体又は外部液体によって、ループ流れ中の気体は、さらに細分化されることになる。これらの(a)~(d)の工程で微細化される気泡発生のメカニズムが、ループ流式バブル発生ノズルの特徴であり、他のノズルにない優れた点である。したがって、上記(1)の構成によれば、簡易な構成でありながら、平均直径が100μm未満のバブル、特に、平均直径が20μm以下のマイクロバブルをも発生させることができるループ流式バブル発生ノズルを提供できる。また、簡易な構成であるので、小型化が可能なループ流式バブル発生ノズルを提供できる。」

ループ流式マイクロバブル発生ノズルの構造は
特許公開2008-119623  を参照してください。

2006年11月に出願した特許は、発生のメカニズムと基本的構造を申請したもので、2008年5月29日に公開されました。 2008年2月、実用化したノズルを特許出願しました。2008年11月にループ流式マイクロバブル発生ノズルの販売開始しました。 家庭用から工業的なものに利用できます。

次回は、田んぼにマイクロバブルを入れた時起った面白い現象を書きたいと思います。

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