10月26日、慶応大学日吉学舎で日本混相流学会主催の「第3回ナノマイクロバブル技術講習会」が行われた。
もっとも聞きたかった明治大学農学部の玉置雅彦教授の講演があった。
テーマは「マイクロバブルの農業分野への応用」。
非常に勉強になった。私が印象的に感じた内容の概略を紹介する。
大きく分けると2つ。マイクロバブルを入れて植物の成長促進と「根腐れ」が起こったこと。それとオゾンマイクロバブルを用いた培養液殺菌・浄化時のオゾン濃度である。2,3回に分けて書くことにする。
(1)マイクロバブルは植物の成長を促進
「溶媒栽培において培養液中の溶存酸素濃度は、培養液管理の中で極めて重要なもののうちの一つである」
根の呼吸
「植物は根の呼吸で生成したエネルギーを利用して根圏の養分と水分を吸収する。 根が培養液に浸かった水耕栽培では、酸素を培養液中に溶存している酸素から得ている。 溶存酸素濃度が低下すると、根が酸素欠乏となり、呼吸活性や養水分吸収の低下、植物ホルモンの合成の異常などが発生し、根腐れをおこしたり地上部の生育の抑制や形態の異常を発生したりする。」
マイクロバブルの効果
ミリバブル、マイクロバブル、通気なしで育てたホウレンソウが写真で示された。この比較でミリバブルを基準にすると、写真を見る限りではマイクロバブルは根、葉ともに2割ほど多く、大きい。通気なしで育てたホウレンソウは半分以下の成長である。
マイクロバブルが優れていることが示された。
植物の種類にもよるが収穫期間の短縮が可能になることが示された。
「根腐れ」
マイクロバブルを入れて「根腐れ」が起こった例も示された。
この理由は説明がなかった。
私の判断では、マイクロバブルを発生させる水圧が高く「脱気」が起こったものと考えられる。当社のノズルを使用している方の経験から推測。ワンパスの場合を除いて、循環装置の場合は水圧によって溶存酸素が下がる可能性がある。一般的にはマイクロバブルは水に溶け易いと言われるが、条件によっては脱気が起こることに注意したい。
写真の掲載、内容等について掲載の承諾をいただいた玉置雅彦教授に感謝いたします。
次回は玉置雅彦教授の「オゾンマイクロバブルを用いた培養液殺菌・浄化」等の実験について。
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